シリコンバンドとシリコンバレー?

皆さんこんにちは。再び筆を執らせていただくWeb担です。

初めからキーボードで打つんだから筆を執るっていう言い方もおかしいかなぁとは思うんですが、他によい言い回しが思い浮かばないので、皆さんもどうか、キーボードを筆ペンで撫でている図とかは想像しないようお願いいたします。シュールすぎるというか、余りにも哀しいです、わたしが。

さておき。

表題の通り、シリコンバンドはシリコン製のバンド。シリコンバレーはシリコン製のバレーボール……ではなく、IT系の企業が集まる場所で、元々は半導体を生産する企業が多かったことがこう呼ばれるようになったという通称ですね。半導体の主原料がシリコンだったことが直接の由来だそうです。

シリコンバンドの素材と、半導体の素材。

どう考えてもあんまり直接は結びつかない感じがします。大体、シリコンバンドに電気が通るようにはちょっと思えないです。

では、どういうことかというと、調べて見ました。

まずシリコンというのがケイ素の英語名だそうです。で、このケイ素という奴がまたコムズカシイというか、複雑で半金属というものに分類されるらしく、あっちでは金属、こっちでは金属じゃないという性質を示す、なんだか昔話のコウモリみたいな奴ですね。

このケイ素、シリコンさんは酸素に続いて地球の表面の方に多い元素だそうで、資源としては結構多い方。だからシリコンバンドもお安く作れるんですね。

そして、このシリコンを使って作られるのが半導体や太陽電池なんていう、今をトキメク最新技術の粋を集めたような工業製品や電子部品ですね。きっと、この記事を読んでいる皆さんのパソコンやスマートフォンの中にもシリコンが一杯詰まってます。まあ、もしかしたら紙でプリントアウトしちゃって読むなんて言う奇特な方もいらっしゃるかもしれませんが。

では、シリコンバンドはシリコン、つまりケイ素が入っていないの? と言われると、いえいえ、ちゃんと入っています。

半導体や太陽電池に使われるのは比較的純粋な(純度の高い)シリコンですが、シリコンバンドに使われるの化合物と言われる、まあ、一杯いろんな物が混ざったものの一種だそうです。

英語ではこういった化合物を「シリコーン(Silicone)」と言って、元素としての「シリコン(Silicon)」とは区別するようですが、日本ではケイ素はケイ素ですし、シリコーンよりシリコンの方がなじみがいいので一般的にもシリコンバンド、と呼ばれているらしいです。特にシリコンバンドで使われているのは、ケイ素樹脂という化合物の一つだそうで……、とにかく、このケイ素を使ったものは数多くあって、分類も様々なようです。

さてさて、先ほど、ケイ素のことをどっちつかずのコウモリみたいな奴、なんて言いましたが、考えて見たら半導体も導体と絶縁体の両方の性質を示すどっちつかずな奴だし……、ということでもうちょっと調べて見ると、ケイ素樹脂も有機と無機両方の性質を備えているとか……。

さらに身近なケイ素(シリコン)を含んだものとしてはガラス。これは昔からあるのに今でも化学的な構造に結論が出ていないそうなのですが、ガラス転移という特徴的な現象を起こし(いわゆる溶けたガラスと固まったガラスが変わることみたいです)、そのお陰で普通に「ガラス」って呼んでいる硬いものも、実は極端に粘りけが高いだけの「液体」で固体じゃないという見方もできるとか、で。

どうもケイ素(シリコン)の周辺にはこういったどっちつかずのコムズカシイ話がいっぱいあるみたいです。

ただ、そういったどっちつかずの性質のお陰で昔はガラスから、今はIT機器やシリコンバンド、それから最近料理本まで色々出ているシリコン調理器具みたいなものまで実現出来て役に立っているので、身近なところにもシリコンバンドと同じようなものが使われていて、なんだか不思議な化学現象に支えられているんだなぁと思うとまた違った見方が出来て楽しいかも知れませんね。